残クレ(残価設定ローン)はやめとけ?4つのデメリットと損しない選び方を徹底解説

新車購入時によく提案される「残クレ(残価設定ローン)」。「月々の支払いが安くなる」と聞くと魅力的ですが、インターネット上では否定的な意見も多く見られます。

ではなぜ「やめとけ」と言われるのでしょうか?その理由は、仕組み上のコストや制約にあります。

この記事では、残クレの具体的なデメリットとメリット、カーローンとの違いについて分かりやすく解説していきます。ぜひ、ご自身にぴったりの支払い方法を見つけるヒントにしてみてくださいね。

目次

そもそも「残クレ(残価設定ローン)」とは?

「残クレ(残価設定ローン)」という言葉は知っていても、具体的な返済の仕組みまで詳しく理解している方は意外と少ないかもしれません。

まずは「残クレ」なら、なぜ月々の支払いを安くできるのか、その全体像を把握することから始めましょう。

一般的なローンとの違いをイメージしながら、基本的な仕組みについて解説していきます。

残クレの基本的な仕組み

残クレ(残価設定型クレジット)の最大の特徴は、購入する車の数年後の下取り価格である「残価」をあらかじめ設定し、車両価格から差し引く点にあります。

利用者は、車両価格全体ではなく「残価を差し引いた残りの金額」だけを分割で支払います。そのため、一般的なローンで全額を分割払いするよりも、月々の支払額を大幅に抑えることができるのです。

残クレの支払いイメージ
  • 車両価格: 300万円
  • 残価(5年後): 100万円
  • 支払う部分: 200万円(+金利手数料)

※100万円分の支払いは、5年後の最終回まで「据え置き(後回し)」になります。

このように、将来の価値を先に見込んで支払いを後回しにする仕組みが、残クレの安さの理由です。

契約終了時(最終回)に選べる3つの選択肢

契約期間(3年〜5年など)が終了したタイミングで、据え置いていた「残価」をどう扱うか決める必要があります。

ライフスタイルの変化に合わせて選べるのがメリットですが、具体的には以下の3つのパターンから選択することが基本です。

  • 車を返却して、新しい車に乗り換える
    車をディーラーに返却し、残価を清算した上で新しい車に乗り換える方法です。もっとも一般的な利用方法で、常に最新の車に乗り続けたい方に適しています。
  • 車を返却して、契約を終了する
    車を返却し、残価を清算して契約を終わらせる方法です。「免許を返納する」「車が不要になった」という場合に選ばれます。
  • 残価を支払って、車を買い取る(乗り続ける)
    設定されていた残価を支払うことで、車を自分のものにする方法です。残価は「現金一括」で支払うか、再度ローンを組む「再分割」で支払うことが可能です。

※車を返却する場合(1と2)、車の状態や走行距離が規定の条件を満たしていないと、追加料金が発生することがあります。

【結論】カーローンはどっちがお得?

ここまで仕組みを見てきましたが、結局のところ「残クレと一般的なカーローン、どっちが得なの?」という点が一番気になりますよね。

結論からお伝えすると、何を重視するかによって「お得」の正解は変わります。

重視するポイントおすすめの支払い方法理由
総支払額を安くしたい銀行系カーローン金利が低く、利息負担が少ないため
月々の負担を軽くしたい残クレ残価分を後回しにできるため

トータルの出費(総支払額)だけで見れば、金利が低く設定されやすい銀行系カーローンの方がお得になるケースがほとんどです。

一方、残クレは月々の支払いが楽になる反面、手数料などのコストがかさみやすい側面があります。

具体的な金額差については記事の後半でシミュレーションしますが、まずは「なぜコストがかさむのか」「どんなリスクがあるのか」、次章で残クレのデメリットについて詳しく見ていきましょう。

先に総支払額のシミュレーション比較を見る

残クレの4つのデメリット!なぜ「やめとけ」と言われるのか?

残クレは月々の支払いを抑えられる便利な仕組みですが、インターネット上で「やめとけ」と言われるのには、それなりの理由があります。

それは、仕組みが少々複雑で、契約者が気づかないうちに損をしてしまう可能性があるからです。

ここでは、ディーラーの営業担当者からはなかなか聞きづらい、残クレの4つのデメリットについて詳しく解説していきます。

「利息」は残価を含めた車両総額にかかる

残クレで最も誤解されやすく、最大のデメリットとも言えるのが「金利がかかる範囲」です。

「据え置いた残価分には金利がかからない」と勘違いされている方が多いのですが、実は残価を含めた車両本体価格のすべてに対して金利手数料がかかり続けます。

ここが落とし穴
  • 誤解
    月々支払う分(車両価格 - 残価)だけに金利がかかる
  • 現実
    借りている元金すべて(車両価格全体)に金利がかかる

お金を借りて車を購入していることには変わりないため、支払いを後回しにしている「残価部分」に対しても、完済するまでしっかりと利息が発生します。

そのため、元金がなかなか減らない残クレは、通常のカーローンに比べて支払う利息の総額が高くなってしまうのです。

走行距離や使用状態に制限がある

残クレで購入した車は、数年後に設定した残価で引き取ってもらうことが前提となっています。そのため、車の価値を著しく下げないよう、利用には厳しい制限が設けられています。

その中でも特に注意したいのが走行距離制限です。

多くのメーカーで、月間1,000km~1,500km程度の上限が設定されており、契約終了時にこれを超過していると追加料金(ペナルティ)が発生します。

制限の例とペナルティ
  • 走行距離制限
    月間1,000km(3年で36,000km)まで
  • 超過時の請求
    1km超過につき5円~10円程度の支払い
  • その他の制限
    喫煙不可、ペット同乗不可、過度な汚れNGなど

「せっかくの休日だから遠出しよう」と思っても、距離を気にしてドライブを控えなければならないなど、自分の車でありながら気を使って乗る必要があります。

通勤で長距離を走る方や、頻繁にドライブを楽しみたい方にとっては、この制限が大きな足かせとなってしまうかもしれません。

事故や傷による「追加精算」のリスクがある

「残価設定ローンなら、将来の買取価格が保証されているから安心」と思っていませんか?実は、その保証には車がキレイな状態であることという条件が付いています。

もし事故を起こして車をぶつけたり、大きな傷をつけてしまったりした場合、返却時の査定価格が大きく下がります。すると、当初設定していた残価との差額(マイナス分)を、現金で追加支払いしなければなりません。

追加精算が発生するケース
  • ボディの傷・凹み
    擦り傷やドアパンチなどの小さな傷でも、数が多いと減点対象
  • 内装の汚れ
    シートのシミ、タバコやペットの臭い、破れなど
  • 事故・修復歴
    フレームまで損傷するような大きな事故の場合、残価保証の対象外となり、数十万円単位の請求が来ることも

ぶつけたらどうしよう」と常に不安やストレスを抱えている状態は、残クレ特有の精神的なデメリットとなります。また、万が一の全損事故に備えて、車両保険への加入は必須レベルとなっています。

残価を再ローンで支払うと金利負担が増える

契約満了時に「やっぱり愛着が湧いたから、このまま乗り続けたい」と思うこともあるかもしれません。しかしその際、残価を一括で支払えれば良いのですが、手元に資金がない場合は「再ローン(再分割)」を組むことになります。

しかし再ローンの金利は、当初の残クレ契約時よりも高く設定されるケースが多いのです。

例えば、新車購入時のキャンペーン金利が低くても、再ローンでは通常の金利(例:4%~7%程度)が適用されることが一般的です。

再ローンで損をする流れ
  1. 最初の数年間、車両価格全体に対する金利を払い続ける。
  2. 残った「残価」に対して、さらに高い金利で新たなローンを組む。
  3. 結果として、最初から全額を通常のローンで組んでいた場合よりも、トータルの利息支払額が大幅に増えてしまう

「月々を安く済ませるつもりだったのに、乗り続けようとしたら結局高くついた」というケースは少なくありません。長く乗る可能性があるなら、再ローンはコスト面でとても不利な選択肢になり得ます。

それでも利用者がいるのはなぜ?残クレの3つのメリット

ここまで厳しいデメリットをお伝えしてきましたが、それでも残クレを利用して新車に乗る方はたくさんいらっしゃいます。

残クレは、ご自身のライフスタイルや資金状況とうまく噛み合えば、とても合理的な買い方になるからです。

では、具体的にどのようなメリットがあって選ばれているのか、代表的な3つの理由を見ていきましょう。

月々の支払額を抑えられる

残クレを選ぶ最大の理由は、やはり毎月の支払い負担が軽くなることです。

先ほどデメリットで「総支払額は高くなる」とお伝えしましたが、日々の家計管理という視点で見れば、月々の出費が少ないことは大きな助けになります。

使い方
  • ワンランク上の車に乗る
    月々の予算が同じでも、残クレならグレードの高い車や、憧れの車にも乗れるかも◎
  • 手元資金の温存
    まとまった頭金を用意しなくても、無理のない範囲で月々の支払いを設定し、現金を「生活費」や「投資」に回すことが◎

「総額の損得」よりも「今の生活の豊かさ」や「キャッシュフロー(資金繰り)」を優先したい方にとって、このメリットは非常に魅力的ですね。

短いサイクルで最新の車に乗り換えられる

車は長く乗れば乗るほど、車検費用やタイヤ交換、故障修理などの「維持費」がかさんでいきます。しかし、残クレを利用して3年〜5年ごとに乗り換えるサイクルを作れば、こうした出費を賢く抑えることができます。

特に3年契約の場合、最初の車検が来る前に次の新車へ乗り換えるため、車検代を支払う必要がありません

また、常に最新モデルに乗り続けたい方にとっては、単に気分が良いだけでなく、実用面でも大きなメリットがあります。

常に新車に乗るメリット
  • 最新の安全性能
    自動ブレーキや運転支援システムなど、進化の早い安全装備を常に最新の状態で利用できます。
  • ライフスタイルに合わせる
    「独身時代はスポーツカー」「結婚したらミニバン」「子供が独立したらコンパクトカー」のように、家族構成の変化に合わせて柔軟に車を選び直せます。

古くなって壊れる前に、新しい車に乗り換える」というサイクルは、故障の不安なく快適なカーライフを送りたい方にとって非常に合理的です。

あらかじめ下取り価格が保証されている安心感

車を購入する際、3年後や5年後にその車がいくらで売れるか、正確に予想するのはプロでも困難です。モデルチェンジや流行の変化によって、中古車相場が予想以上に下がってしまうリスクは常にあります。

しかし、残クレ(特に「残価保証型」)であれば、契約時に「数年後はこの金額で引き取ります」という約束が交わされます。つまり、将来の買取相場が暴落しても、損をするリスクを回避できるのです。

市場価格が変動した場合のメリット
  • 相場が下がった場合
    市場価値が残価を下回っていても、約束通りの「設定残価」で引き取ってもらえます。
  • 相場が上がった場合
    中古車人気が高まり、市場価値が残価を上回った場合は、その差額分を受け取ったり、次の車の頭金に充てたりできるケースが一般的です。

「将来、車の価値がなくなっていたらどうしよう」という不安を持たずに、安心してカーライフを楽しめる点は、資産価値を気にする方にとって大きなメリットと言えるでしょう。

【徹底比較】残クレ vs カーローン vs 現金一括

メリットとデメリットの両方を理解したところで、やはり一番気になるのは「最終的にいくら払うことになるのか」という金額の差ではないでしょうか。

「月々の支払いは残クレが安い」というのは事実ですが、長い目で見たときの総支払額には明確な違いが生まれます。

ここでは、よくある3つの支払い方法をシミュレーション比較し、実際のコスト差を検証していきます。

数字で見ると「金利の差」がどれほど影響するのかが一目瞭然ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。

総支払額のシミュレーション比較

では、実際に数字を入れて計算してみましょう。今回は以下の条件で、支払総額にどれくらいの差が出るのかを比較します。

シミュレーション条件
  • 車両本体価格:300万円
  • 支払い回数:60回払い(5年)
  • ボーナス払い:なし
  • 金利設定:
    銀行系カーローン:実質年率 2.4%
    残クレ:実質年率 4.9%
  • 残価設定(残クレのみ):30%(90万円)

◆300万円の車を5年で購入した場合の比較

スクロールできます
項目現金一括銀行系カーローン(金利 2.4%)残クレ(金利 4.9% / 残価90万円)
月々の支払額0円約53,100円約44,500円
利息の総額0円約18.6万円約39.5万円
支払総額(車両代+利息)300万円約318.6万円約339.5万円
※上記は目安のシミュレーションです。実際の金利や計算方法は金融機関によって異なります。
この表からわかること
  • 月々の安さは「残クレ」が有利
    通常のローンに比べて、月々約8,600円安くなっています。年間で約10万円の差が出るため、毎月の生活費を圧迫したくない方には非常に魅力的です。
  • 総支払額(損得)は「銀行系ローン」が優秀
    一方で、支払う利息の合計を見ると、残クレの方が約20万円以上も高くなっています。これは、金利そのものが高いことに加え、「据え置いた90万円(残価)」に対しても5年間ずっと利息がかかり続けているためです。

つまり、月々の支払いを安くするために、手数料(利息)を多く払って後回しにしているというのが残クレの正体です。この「手数料の差」を許容できるかどうかが、判断の分かれ目となります。

「得する人」と「損する人」の違い

シミュレーションの結果、「金額的な損得」だけで言えば銀行系カーローンや現金一括の方が有利であることが分かりました。

しかし、車の買い方は金額だけで決まるものではありません。それぞれのライフスタイルによって、「得する人」と「損する人」が変わってきます。

では、具体的にどのような人が残クレに向いていて、どのような人がやめておいた方が良いのか、特徴を整理してみましょう。

残クレに向いている人

以下のような考え方やライフスタイルの方にとって、残クレは非常におすすめな選択肢となります。

おすすめできるタイプ
  • 常に最新の車に乗り続けたい人
    3年〜5年ごとに新車に乗り換えることで、常に最新の安全装備や燃費性能の恩恵を受けられます。
  • 月々の固定費をとにかく抑えたい人
    総額よりも「毎月の支払いやすさ」を重視し、手元の現金を教育費や投資などに回したい方に最適です。
  • 走行距離が少なく、車をきれいに乗る人
    週末の買い物や近場の送迎がメインで、年間走行距離が1万km以下の方は、返却時の追加精算リスクが低く安心です。
  • 売却の手間を省きたい人
    乗り換え時に買取店を回ったり価格交渉をしたりするのが面倒な方にとって、ディーラーに返すだけで済むのは大きなメリットです。

残クレに向いていない人

一方で、以下のようなタイプの方が残クレを利用すると、後悔したり損をしたりする可能性が高くなります。

やめておいた方が良いタイプ
  • 1台の車を長く乗り潰したい人
    7年、10年と長く乗るつもりなら、金利負担が大きくなるだけの残クレは不向きです。最初から低金利のカーローンを選びましょう。
  • 総支払額を1円でも安くしたい人
    「金利は無駄なコスト」と考える倹約家の方は、残クレの手数料の高さにストレスを感じるはずです。
  • 走行距離が多い人
    長距離通勤や頻繁なロングドライブをする方は、走行距離制限のペナルティを受けるリスクが高いためおすすめできません。
  • カスタムや改造を楽しみたい人
    車を自分好みにいじりたい、傷や汚れを気にせずラフに使いたいという方は、制限の多い残クレは窮屈に感じるでしょう。

残クレ以外で車を所有する方法は?カーリースやサブスクとの違い

ここまで読んで、「月々の費用は抑えたいけど、自分には残クレのは合わないかも……」と感じた方もいらっしゃるかもしれませんね。

しかし、月々の支払いを抑えながら車に乗る方法は、残クレ以外にも存在します。

ここでは、最近利用者が増えている「カーリース」や「サブスク」、そしてコストパフォーマンスに優れた「中古車」について、残クレとの違いを比較しながら解説していきます。

カーリース(定額制)との違い

カーリースは、契約期間中に毎月定額の利用料を支払って車に乗るサービスです。

「車のサブスク」とも呼ばれており、残クレとの最大の違いは、月々の支払いの中に、税金や車検代が含まれているかどうかです。

残クレの場合、あくまで「車両代金の分割払い」なので、毎年の自動車税や数年ごとの車検費用は、その都度自分で用意して支払わなければなりません。 一方、カーリースはそれらの維持費があらかじめ月額料金に含まれているのが一般的です。

◆残クレとカーリースの費用比較

スクロールできます
項目残クレカーリース
頭金必要(なしも可)不要(0円)
自動車税実費(毎年支払い)コミコミ
車検・自賠責実費(都度支払い)コミコミ
メンテナンスオプション加入が必要プランに含まれることが多い
任意保険別途契約が必要別途契約が必要(※一部込みプランあり)

忘れた頃にやってくる数万円の出費(税金や車検)」に慌てたくない方や、家計管理をシンプルにしたい方には、残クレよりもカーリースの方が適していますよ。

車のサブスクリプションとの違い

「サブスク(サブスクリプション)」も定額制で車に乗るサービスですが、カーリースとさらにもう一歩踏み込んだ違いがあります。

それは、多くのサブスクサービスで「任意保険(自動車保険)」まで月額料金に含まれているという点です。

残クレや一般的なカーリースの場合、強制保険(自賠責)は含まれていても、事故時の補償となる「任意保険」は自分で別途加入し、支払い続ける必要があります。

一方、トヨタの「KINTO」などに代表されるサブスクサービスでは、この任意保険料もコミコミになっているケースがほとんどです。

サブスクはこんな人におすすめ
  • 免許を取りたての若年層(20代など)
    年齢条件や等級の影響で任意保険料が高額になりがちな方でも、定額で利用できるためコストメリットが出やすくなります。
  • 手続きを極限まで減らしたい人
    車両契約と保険契約を一本化できるため、面倒な手続きが一度で済みます。
  • 短期間だけ使いたい人
    一部のサブスクでは、数ヶ月単位や1年単位など、比較的短期での利用や解約がしやすいプランも用意されています。

車にかかるお金の管理を、スマホ代のように完全に定額にしたい」という方にとっては、残クレよりもサブスクの方が理想に近いかもしれません。

中古車購入という選択肢

とにかく安く乗りたい」「総支払額を減らしたい」という場合、選択肢から外せないのが中古車です。

残クレは「新車」に乗るための方法としては月々の支払いが安いですが、そもそもの車両本体価格が高いため、金利を含めた総支払額は数百万円単位になります。

一方、中古車であれば、新車価格の半額以下で手に入ることも珍しくありません。高年式(新しい年式)の中古車を選んで通常のカーローンを組めば、「残クレの新車」よりも月々の支払いを安く、かつ総支払額も圧倒的に抑えることが可能です。

中古車購入のメリット
  • 圧倒的なコストパフォーマンス
    車両価格自体が安いため、ローンの借入額を小さくできます。
  • 制限からの解放
    残クレのような「走行距離制限」や「カスタム禁止」といった縛りが一切ありません。
  • 納車が早い
    新車は納車まで数ヶ月~半年かかることもありますが、中古車なら数週間で乗り出せます。
  • 自分のモノになる
    返却を前提としないため、長く乗ることも、好きなタイミングで売ることも、自由自在です。

「新車であること」に強いこだわりがなければ、走行距離が少ない「登録済未使用車」や、状態の良い中古車を狙うことがおすすめですよ。

残クレ(残価設定ローン)に関するよくある質問(FAQ)

仕組みやメリット・デメリットは理解できても、「もしこんなことが起きたらどうなるの?」という細かな不安は尽きないものです。

ここでは、契約前に必ず知っておきたい疑問やトラブル時の対応について、Q&A形式で分かりやすく解説していきます。

残クレを途中で解約することはできますか?

原則としてできませんが、「一括返済」という形なら可能です。

残クレは基本的に中途解約は認められていませんが、残っている債務(残価を含む)を現金で全額支払えば、契約を終了させることができます。

しかし解約時には、「残りのローン残高 + 設定残価」をすべて現金で清算する必要があります。この時、車の査定額が残債を上回っていればお釣りが来ますが、査定額の方が低い場合は、不足分を現金で用意(追い金)しなければなりません。

事故で車が全損になった場合はどうなりますか?

契約が強制終了となり、残債の一括返済を求められます。

車が物理的になくなってしまっても、ローンの支払い義務は無くならないため、もっともリスクが高いケースです。

手元に車がないのに、数百万円の請求だけが残るという最悪の事態を防ぐために、残クレを利用する際は車両保険(一般条件)」への加入が必須と言われています。

注意点
保険金額の設定が低いと、保険金だけでローンを完済できない場合があります。契約時は「新価特約」や「車両新価保険」など、十分な補償額が出るプランを選びましょう。

契約時の走行距離制限を超えてしまったらどうなりますか?

超過した距離に応じて、追加料金を支払うことになります。

超過料金の相場はメーカーや車種によって異なりますが、一般的には1kmあたり5円〜10円程度です。

▼1kmあたり10円の契約で、規定より2,000km多く走ってしまった場合の例

項目計算式支払額
超過距離2,000km × 10円20,000円

「車を没収される」といったことはありませんが、返却時の出費が増える点には注意が必要です。

車をカスタマイズ・改造しても大丈夫ですか?

返却時に「元の状態(純正)」に戻せる範囲なら問題ないことが多いです。

残クレの基本ルールは「原状回復(借りた時の状態に戻して返す)」です。

  • OKな例
    取り外し可能なカーナビ、オーディオ交換、ホイール交換(純正品を保管しておくこと)
  • NGな例
    シャコタン(車高調整)、マフラー切断、ボディへの穴あけ、内装の塗装など

ただし、純正オプション以外のパーツをつけていると、査定額が下がる(減点される)可能性があります。基本的には「ノーマルのまま乗る」のが一番安全です。

残クレの審査はカーローンより厳しいですか?

一般的な銀行系カーローンよりも、審査は通りやすい傾向にあります。

銀行などの金融機関でお金を借りる「マイカーローン」は無担保融資であることが多く、審査基準(年収や勤続年数)が厳しめです。

一方、残クレは完済するまで車の所有者が「ディーラー(信販会社)」名義になるため、万が一支払いが滞っても車を回収できるという強みがあります。そのため、銀行ローンに通らなかった方でも、残クレなら審査に通ったというケースは珍しくありません。

学生や主婦でも残クレを利用できますか?

安定した収入のある連帯保証人を立てれば、利用可能なケースが多いです。

学生や専業主婦の方など、本人に安定した収入がない場合は、単独での契約は難しいでしょう。しかし、「親」や「配偶者」を連帯保証人にすることで、審査対象を保証人の信用情報にシフトできるため、契約が可能になります。

まずはディーラーの担当者に「学生(または主婦)だが購入を検討している」と相談してみることから始めてみましょう。

最終回の支払いができない時はどうすればいいですか?

再分割(再ローン)に切り替えるか、車を返却して清算します。

最終回の支払い(残価分)が用意できなくても、焦る必要はありません。以下のどちらかの方法で対処可能です。

  1. 再ローンを組む
    残価分を再び分割払いにして、月々の支払いを継続しながら乗り続ける。(※審査が必要になります)
  2. 車を返却する
    車をディーラーに返して、残価の支払いを相殺する。(※追加精算がなければ、支払いは0円で終了)

一番やってはいけないのは、相談せずに支払いを放置することです。支払いが厳しいと分かった時点で、早めに販売店へ相談しましょう。

まとめ

ここまで、残価設定ローン(残クレ)の仕組みから、メリット・デメリット、そして他の支払い方法との比較までを詳しく解説してきました。

結論として、「残クレ」と「銀行系カーローン」のどちらが正解かは、あなたが何を優先するかによって決まります。

最後に、選び方のポイントをもう一度整理しておきましょう。

あなたにおすすめの買い方はどっち?

スクロールできます
「残クレ」がおすすめな人・月々の支払いを安く抑えて、手元の現金を残しておきたい。
・3年〜5年ごとに、常に最新の新車(安全装備)に乗り続けたい。
・車検やメンテナンスの手間を減らして、楽に車を維持したい。
「銀行系カーローン」がおすすめな人・金利手数料などの「無駄な出費」を極力減らしたい。
・1台の車を長く大切に乗り続けたい。
・走行距離や傷を気にせず、自由に車を使いたい。

残クレは「総支払額が高くなる」という明確なデメリットがありますが、それを補って余りある月々の負担軽減最新モデルに乗れる満足感という価値があります。

単に金額の損得だけで判断するのではなく、「自分はどんなカーライフを送りたいのか」「今の家計状況に合っているのはどちらか」という視点で選ぶことが、後悔しない車選びの第一歩ですよ。

参考文献

・一般社団法人 日本自動車リース協会連合会(JALA)「リースとレンタルの違い・リースの仕組み
・公益社団法人 自動車公正取引協議会「自動車の販売・表示に関する規約
・一般社団法人 日本クレジット協会「クレジットの利用に関する消費者向け情報
・一般社団法人 日本自動車連盟 (JAF)「クルマの税金・維持費について
・自動車点検整備推進協議会「2020年度 自動車点検整備推進運動に関するアンケート調査
・国土交通省自動車交通局「平成16年度 自動車の検査・点検整備に関する基礎調査検討結果報告書
・国土交通省「自動車の点検整備について(点検整備の種類・点検項目)
・国土交通省「検査標章の現状について
・公益社団法人 日本自動車整備振興会連合会(JASPA)「mycarhandbook2024

目次